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こども図書館をつくる

こども図書館をつくる


こどものための環境づくり

児童保育施設や幼稚園では、たくさんの絵本や児童書を保有していることと思います。

こどもにとって本はそれぞれがまったく未知のもので、ひとつひとつがあたらしい世界との対話になります。場合によってはその子にとってかけがえのない体験にもなるでしょう。わたしもこどもの頃に読んで、おとなになったいまでも覚えている本のことは、思い出すだけで心温かい気持ちになります。

特に最近は、おとなでも知りたいような内容のことを自発的に勉強できるような工夫に溢れた本も多く、教育の観点からもますます発展してきています。そういったものに興味をもち、好きなだけ触れることは、かならずこどもたちの豊かな生育を助けることでしょう。


いま保有している本を、そこへ通うこどもたちがより自分で手に取り、自発的に借りることができれば、もっと自由で楽しい場所として活用することができるのではないでしょうか。

そこで、施設にある本をこどもが自分選び、借りることができる、そんな《こども図書館》をつくってみるとします。

ですが、ただつくればいいということでもありません。本を読みたいだけなのに、ルールや決まった難しい手続きを押し付けられていると感じれば、こどもたちは本から遠ざかっていきます。楽しく続けるには、それなりの仕組みづくりが必要になります。

・こどもが好きに本を読める環境をつくる

・こどもが自分で本を借りて、返すことができるようになる

・こどもとおとなが一緒になってたのしめる

この記事では、その環境づくりのひとつのアイデアとして、無料のウェブサービス《カシカン》を使った《こども図書館》の運営を提案します。

カシカンとは?

カシカンは備品など、「貸し借り」を行うあらゆるモノの貸出管理をサポートするウェブサービスです。アカウントを作成するだけですべての機能を無料で使用することができます。特に書籍の管理にもつよく、社内図書や大学研究室など、すでにいろいろな場面での図書貸出にカシカンは活用されています。

カシカンのホーム画面はこのようなものです。
カシカンのホーム画面

1.カシカンに本を登録する

1-1.アカウントを作成する

カシカンのアカウント作成はトップページから行います。(コチラから!)
アカウントはメールアドレスとパスワードを入力するだけですぐに作成できます。

★もし方法がわからなかったら、こちらの記事を参照してください。
【利用のながれ】カシカンの会員登録の解説記事へ

1-2.本を登録する

アカウントが作成できたら、まずは本を登録していきましょう。カシカンでは貸出物の登録を手動でも行うことができますが、本の場合はISBNコード(バーコード)をカメラで読み取むことで、書籍データを自動で取得することができます。
今回は、この方法で本を登録してみます。

画面の表示に、書籍のバーコードを重ねます。

ISBNコードで読み取ると、その本の内容が反映されるほか、〈作者〉〈出版社〉といった情報が自動でタグ付けされるので、たとえば同じ作者の本をカシカン内で探すというようなことが簡単にできるようになります。

★詳しくはこちら⇛バーコード読取で書籍を登録するの解説記事へ

動画解説(youtube)

バーコードがない場合は、ISBNコードを手入力して登録する方法もあります。また、たくさんの本を一度に登録する場合は、CSVファイルをインポートして一括で登録する方法もあります。シチュエーションや規模によって効率的な方法が様々に用意されているのも、カシカンの特色です。

[tips]貸出に期限をつける登録した本は、利用可能日数などを設定することができます。借りられた本が借りっぱなしになっていたりするとすぐにわかるようになっているので、紛失を防止することができます。また、決まった約束を守ってもらうための練習にもなるでしょう。
期限を設定する方法はコチラで解説しています。

2.こどもが本を借りられるようにする

これまでの手順で、カシカンのブラウザ上で本の貸出を行うことができるようになりました。ですが、今回はこどもたちが自分の力で本を借りられるようにしたいので、このままではまだむずかしいと思います。
画面上での操作がむずかしかったり、そもそも自分用のスマートフォンを持っていることもすくないでしょうから、なるべく、普通の図書館のように使えるのが理想です。

そのために、2つの機能を活用します。

・本に専用QRコードを貼り付けて、直接貸出できるようにする。
・利用する児童の数だけ会員証を作成する

この2つを行うと、こどもたちが図書館で使うような利用証をそれぞれ持つことができ、借りたい本は直接受付に持っていくだけで借りられる、といった活用法ができます。ぐっと図書館らしくなりますね。

ひとつずつみていきましょう。

2-1.本のQRコードを作成する

いまのままでは、スマートフォンやパソコンからカシカンを開き、借りたい本を選択して利用手続きする、という画面上での操作が主になってしまいます。なので、専用のQRコードを作成して、本に貼り付けをします。このQRコードはカシカンのリンクになっているので、読み込むと直接その本の貸出画面にアクセスできます。これでこどもが借りたくて持ってきた本をすぐに貸し出すことができます。

QRコード作成はカシカン上で簡単に行うことができます。登録した本の中からQRコードを出力したい本を選択して、プリントアウトするだけです。もし印刷できる環境がなくても、PDFファイルにして保存してから、ネットプリントなどを使ってコンビニで印刷することができます。

★細かい手順はこちらの記事で解説しています。⇒ QRコードの印刷方法 の記事へ


QRコードをプリントアウトしたら……


ひとつずつ切り分けて……


本に貼り付けます。
今回はわかりやすく表紙に貼り付けていますが、裏表紙や、栞をつくってそこに貼り付けるなどしてもよいと思います。いずれにせよ、なるべく本が傷つかない方法をおすすめします。

これで、図書館をひらく準備ができました。あとは、利用するこどもたちがカシカンを利用できるようにしていくだけです。

2-2.会員証を発行する

カシカンは基本的には利用するユーザーごとにアカウント登録をする必要がありますが、こどもがみんなスマートフォンなど自分の端末を持っているわけではありません。保護者の方の端末を登録して一緒に利用するのもいいですが、ここはやっぱり、こどもが自分で自由に使えたほうが楽しいでしょうね。

会員証を作成しましょう。会員証は先ほどの書籍と同じように、QRコードとしてプリントアウトすることができます。これを読み取ると〈貸出ユーザー〉としてアカウント登録の必要なく、カシカンにアクセスすることができます。この場合、貸出物の登録する機能は制限され、使える機能は貸出物を利用することだけになるので、こどもにも使いやすいです。

会員証の発行方法も簡単で、会員証発行画面から、発行する枚数を入力して、プリントアウトするだけです。


入力した枚数分、QRコードが印刷されるので、これを……

こんな風に、厚紙や名札に貼り付けたら、会員証の完成です。
首かけできる名札に入れたり、好きなデザインの会員証をみんなで一緒につくってみるのもいいかもしれませんね。

★細かい手順はこちらで解説しています。⇒ 会員証を作成する の記事へ

3.〈こども図書館〉をはじめる

さて、ここまでできたらいよいよ貸出がはじめられます。
図書館としてカシカンを利用するときの流れは、おおまかにこうなります。

3-1.こどもが借りたい本と会員証を持って受付にいく
図書館を使いたい児童に会員証を渡して、好きな本を持ってきてもらいます。受付のひとはカシカンを使用できるスマートフォンを使ってそれに応対します。

3-2.受付のひとが端末を使って会員証を読み取り、カシカンにログインする
児童に会員証を見せてもらって、それを端末のカメラで読み取ってください。ユーザーとしてカシカンにログインすることができます。
ホーム画面が表示されたら、つぎは本の読み取りを行います。


3-3.本のQRコードを読み取って、貸出画面にアクセスする
つぎは児童が持ってきた本を読み取ります。カシカンからカメラを起動して、本のQRコードを読み取ってください。
うすく表示されているマークにQRコードを重ねてください。

QRコードを読み取れたら、このような本の貸出画面が表示されます。
読み取りに成功したら、画面下部に表示されている〈借りる〉をタップしてください。この操作は、受付のひとがやってもいいですし、簡単なので端末を渡して児童に任せてもいいです。

 3-4.何日借りるかを選択して、こどもに本を貸し出す
最後に、借りる日数を決める画面が表示されるので、日数を選びます。直接入力することもできますし、両端の「+」「-」をタップして数値を増減させることもできるので、児童に任せる場合はこの「+」「-」をタップする方法が簡単でおすすめです。日数を選べたら、もう一度〈借りる〉をタップします。
借りる日数を選んだら、貸出はすぐに完了します。


こんな感じです。
会員証ごとに名前を登録できるので、どの本をだれが借りているかというのははじめに登録した管理アカウントから常に確認することができます。また本の返却もワンタップで完了するので、管理を手間と感じることはほとんどないと思います。


[tips]カシカンをひらがなモードにする  こどもむけに、カシカンで表示する文字をすべてひらがなにすることができます。〈ユーザー設定〉→〈言語設定〉で〈ひらがな〉を選択することで設定できるので、こどもと一緒に利用する際はぜひご活用ください。
詳しく知りたい! ⇒ 言語設定の記事へ

まとめ

いかがだったでしょうか?

自分の力で本を借りることができる、そして借りたものをきちんと返せる。それができるようになることはこどもにって大きな成長に感じられるでしょう。先生や保護者の方も、こどもに読み聞かせたい新たな本を発見するかもしれません。自由な貸し借りで、こどもを中心にみんなが豊かになるような、そんな環境づくりを目指しましょう。


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カシカンは利便性向上のためにアップデートを随時行っています。カシカンで利用できる他のさまざまな機能については、カシカンの使い方をご覧ください。
また、カシカンに関して気になる点がございましたら、サポートからお気軽にお問い合わせください。

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