【2022年最新】図書管理(書籍管理)に便利なサービス5社比較 │ 機能と料金をまとめました
図書管理とは
ここで言う図書管理(もしくは書籍管理)とは、所属する組織やコミュニティのなかで書籍を共有財産とし、グループ内の誰もが自由に閲覧・貸出を受けることができるようにするための、管理システムやルールのことです。
図書館や学校の図書室が最もイメージしやすいですが、オフィスに書架や資料室を持つ会社、デザイン事務所などもあります。また保育園や宿泊施設などにおいても、多くのひとにひらかれる形で利用できるようにすることも、図書管理のひとつの役割と言えます。
なぜ図書管理をするのか
なぜ図書管理をするのかについて大きく分けると、2つの考え方があります。
1つは、仕事の効率化です。会社の運営において、業務上必要な知識や教養を共有するために、蔵書を増やすことがあります。仕事のコツやスキルの習得に役立つ書籍、困ったときにいつでもリファレンスできる資料としての書籍がすぐに読めることは、生産性の向上に繋がります。
もう1つは、福祉のためです。保育園や図書館などでは、より開かれたかたちで、より多くのひとと蔵書をシェアすることが求められます。
そのためには誰にでも使えて、トラブルが起こりにくいシステムやルールを作り上げていく必要があります。
そのためには誰にでも使えて、トラブルが起こりにくいシステムやルールを作り上げていく必要があります。
近年では特に自分ではモノを所有しないライフスタイルも広まりつつあります。そうした生活のシーンを想像すると、書籍においても今後はもっとカジュアルに貸し借りを行うコミュニティが生まれてくるかもしれません。
システムに必要な機能は何か
そういうわけで図書管理を行う目的はビジネス、教育・福祉と多種多様であり、そのシステムを提供するサービスも様々です。
そのなかで、自分の目的に一番合うサービスをどのように探せばいいでしょうか?
つまり、図書管理ができるシステムの要件、そして理想的なサービスとはどのようなものか。
どのような運用目的であれ、共通して考えられるのは以下のような要素です。
1.ISBNコードが識別できる
第一に、書籍を扱う以上はISBNコードを識別できたほうが良いです。
ISBNコードとは書籍を特定するために欠かせないもので、一般に流通している書籍にはすべて個別のISBNコードが振られています。
ISBNコードが識別できるということは、そのサービスが書籍の管理を対象とすることを前提として設計されているということなので、一定の信頼が置けます。
反対に、ISBNコードを識別できない管理システムは、図書管理には向いていないかもしれません。
2.QRコード管理ができる
「スマホやパソコンを使ったデジタル上の管理」と「モノとしての書籍」の円滑な橋渡しをするのがQRコードです。書籍本体に貸出手続きへのリンク情報がついたQRコードを貼付しておくだけで、大幅に効率があがり、より誰もが使いやすい体制づくりに役立ちます。
3.貸出開始日と返却日が設定できる
貸出のたびに、その開始日と返却予定日を設定しておけるサービスは図書管理の適性があります。いま誰がどの本を借りていて、それがいつ返ってくるのか把握することが図書管理の基本なので、貸す側と借りる側のお互いが、いつでもその日程を確認できることはとても大切です。
4.検索に対応している
利用するサービス内で、借りたいと思った書籍の検索ができることが望ましいです。書籍には「書名・著者名・出版社・ISBNコード」など、様々な情報が関連付けられていますが、そういった情報から書籍を検索して、借りたいと考えている日程にその書籍が貸出可能かをあらかじめ確認できると、非常に便利です。
5.利用目的に適うコストである
運用する図書管理の規模と、サービスの提供元が想定する運営規模が合っているかは必ず確認しましょう。図書管理は基本的に、それ自体で利益を発生させることを目的とするケースがほとんどありません。従って、なるべくお金をかけないことが長く続けるためには必須の方針です。
以上のような観点を踏まえつつ、図書管理(書籍管理)に適性のあるサービスを調査しました。
それぞれの機能を比較しつついくつかをご紹介します。
まずは簡単な表にまとめましたので御覧ください。
以下、各サービスの具体的な特徴をご紹介していきます。
(各見出しのサービス名をクリックすると、それぞれのHPにアクセスします。)
(各見出しのサービス名をクリックすると、それぞれのHPにアクセスします。)
・MamoruBiz
MamoruBizはオフィス向けに提供されている事務仕事のトータルサポートサービスで、標準搭載の機能で備品管理が利用可能です。
書籍の管理に特化した点はなく、どちらかといえば会社の棚卸し業務なども視野に入れた社内資産の管理に本分を置いたサービスですが、事務一般の仕事全体を効率化するサポートが受けられるので、自社のシステムを丸ごと改善したいひとにとっては良いシステムです。その分、かかるコストが高いです。
・kintone(サイボウズ)
kintoneはサイボウズが提供する仕事管理サービスで、こちらもオフィス向けです。
備品在庫管理機能がありますが、こちらは消耗品管理を前提に設計されているので、今回の書籍管理という観点から見ると、残念ながら適切とは言えないようです。
同社提供のサイボウズofficeにも、総務向けに備品管理サービスが提供されていますが、こちらも定期的に発注を行う消耗備品や、会社が資産として持つ在庫の管理に要点があります。
同社提供のサイボウズofficeにも、総務向けに備品管理サービスが提供されていますが、こちらも定期的に発注を行う消耗備品や、会社が資産として持つ在庫の管理に要点があります。
とはいえ、豊富なアプリを自由に組み合わせて利用できるので機能を持て余すこともなく、すこしニッチな業務フローについてもフォローしてくれる機能が揃っているので、非常に便利なサービスです。価格も組織規模に合わせて変動するので、適性価格での提供が受けられると思います。
・Weblib
打って変わって図書管理に特化したサービスがWeblibです。多くの学校や図書館で導入されているような図書管理システムの無料版のような立ち位置で、もちろん書籍管理にとっては最適の機能を備えているうえ、完全無料のサービスです。運営コストが一切かからないという点で、とりあえず使ってみる、というフットワークの軽さが利点です。
しかしながら、このWeblibは2023年6月30日に運用停止が発表されています。システムを長く使っていきたい場合、今から導入するのは難しいでしょう。
・書籍管理Biz
書籍管理Bizは会社や事務所の書籍を無料で管理できるクラウドサービスです。2020.1.18からベータ版がリリースされており、比較的新しいサービスと言えます。
名前の通りに書籍管理に必要な機能が一通り揃っており、利用も無料です。現状では蔵書管理に長けており、貸出にも対応していますが、機能面は非常に簡易的にまとまっています。貸出日や返却日を記録しておくことはできますが、単一のユーザーが一元的に管理する仕様上、管理者のコストが高いです。使い勝手と見た目がシンプルなので、手軽に利用を始めることができます。個人的に購入した本を記録しておくなどの使い方をするのにも良さそうです。
書籍管理Bizは会社や事務所の書籍を無料で管理できるクラウドサービスです。
2020.1.18からベータ版がリリースされており、比較的新しいサービスと言えます。
名前の通りに書籍管理に必要な機能が一通り揃っており、利用も無料です。
名前の通りに書籍管理に必要な機能が一通り揃っており、利用も無料です。
現状では蔵書管理に長けており、貸出にも対応していますが、機能面は非常に簡易的にまとまっています。貸出日や返却日を記録しておくことはできますが、単一のユーザーが一元的に管理する仕様上、管理者のコストが高いです。
使い勝手と見た目がシンプルなので、手軽に利用を始めることができます。個人的に購入した本を記録しておくなどの使い方をするのにも良さそうです。
・カシカン
カシカンはスマホアプリもしくはブラウザ上で利用できる貸出管理サービスで、こちらも比較的新しいサービスです。備品全般の貸出共有・管理機能を備えながら、特に書籍管理にまつわる機能面が充実しています。上記の要件をすべて満たしつつ、更には目的に応じて用途を自由に広げることのできる拡張性が魅力です。管理ユーザーと利用ユーザーどちらからでも手続きをすることができるので、管理コストが管理ユーザーに集中せず、負担が少ないです。
そして提供する機能を備品管理に絞っているため、コミュニティ人数が少ないうちは無料で利用でき、大きな組織においてもかなりの低コストで運用することができます。
図書管理システムをはじめましょう
書籍はなによりもひとの心を豊かにします。仕事のためであれ、児童教育のためであれ、豊かな心があってこそあらゆる営みは培われていくものです。仲間や周囲の人々がより豊かに生活や仕事に取り組めるように、図書管理システムの導入をぜひ検討してみてください。