教育現場でのパソコン・タブレット活用
学校教育の現場で、タブレットやノートパソコンを活用する機会が増えています。
プログラミング授業の必修化もあり、生徒がパソコンやタブレットを使って授業を受けるようなケースもいまでは珍しくありません。
「ICT元年」とも言われた2021年ですが、まだまだその実践については過渡期にあります。
ノウハウの蓄積が不十分なために、実際に運用していくなかでいろんな問題が生じることと思います。またそんななかで、オンライン授業や自宅学習などいままでになかった環境での教育指導も必要とされる場合があります。よりよい方法で生徒を育むため変化していくことはとても大切ですが、あれこれと環境が定まらないのでは先生も生徒も学習に専念できません。
何にせよ新しいシステムというものは、やり方がきちんと整ってそれを扱う現場のひとたちのなかに馴染んでくることで、はじめて恩恵を得られるもの。
学校においてはまず、授業効率の向上があげられます。そしてやがては生徒の自主的な学習促進もサポートできるでしょう。あるいは、もっと独自の自由な使い方を思いつくかもしれません。ICTの導入は色々な面で、教育の可能性をひろげてくれるものです。
では、まず何から始めればいいでしょう?
たとえば環境に必須になるであろうタブレットなどのデバイス。その管理について考えてみましょう。もっとも基本的な部分で、意外と困るポイントでもあります。
教育の場では生徒の数も多いですが、教員も多く在籍しています。たくさんのデバイスが必要となり、それらすべてが学校の共有財産です。ふつうの備品管理と違って、同じ型番でも異なる用途のために構築されていれば、デバイスをそれぞれ区別して使用・保管必要がありますし、その持ち運びやすさとは裏腹に紛失した場合のロスが高額なうえ、情報漏洩のリスクなども伴ってきます。
タブレットを導入してはみたものの、その管理方法に困っている方
これからタブレット導入を考えている学校向けに、タブレットやその他の端末の管理方法をご紹介します。
カシカンとは?
〈カシカン〉はブラウザやスマートフォンアプリで利用できる、無料の貸出管理サービスです。カシカンを活用することで、社内備品や書籍、サークルの所有品など、さまざまなシーンのありとあらゆるモノをシェアリングできます。もちろん学校にあるものも、すべてカシカンを通して安全に共有可能です。登録できる種類に制限はなく、数も無制限に登録できるので、すぐにはじめられて、ずっと使い続けることができます。
業者に委託してシステムを作ってもらおう、という考え方もあります。しかし万が一そのサービスの提供する機能と現場のマッチングが悪かったり、インターフェースが不親切だったり、費用対効果がつりあわないと感じても、導入コストを考えるとなかなかやり直しが利きません。
なのでまずはこの、無料ですぐに始められるカシカンを利用して基本的な備品の管理を行ってみましょう。
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カシカン ホーム画面 |
カシカンで使える機能についてはこちらをご覧ください。
⇒カシカンとは?の記事へ(リンクからカシカンの運営するブログにアクセスします。)
1.アカウント登録
カシカンの利用にはアカウント登録が必要ですが、メールアドレスとパスワードを設定するだけでかんたんに登録できるので、利用を開始するまでに時間はほとんどかかりません。
アカウント登録から実際に使い始めるまでの操作説明をカシカンブログで紹介しています。詳しくはこちらをご覧ください。
⇒【利用のながれ】カシカンの会員登録の記事へ
また、もし生徒と一緒に共有したいものがあるなら、メールアドレスを必要としないユーザーの利用方法もあります。(⇒アカウント登録不要の会員証を発行するの記事へ)
2.貸出物を登録する
アカウントを作成することができたら、試しに教職員が授業で利用できるタブレット端末を登録していきましょう。カシカンはあらゆるものを貸出物として登録していくことで、グループメンバーとシェアすることができます。登録処理はわかりやすくシンプルなので、操作に困ることはほとんどないと思います。
貸出物の登録時には、写真データをアップロードして視覚的にリストをつくれるほか、端末にかかわる情報を整理して保存しておくことができるので、貸出物を沢山登録した場合でも検索性を保てます。
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貸出物登録画面 |
POINT①:タグが設定できる
カテゴリーや収納場所をタグとして、その他使用用途を分類する場合は説明文内にハッシュタグとして設定しておくことができます。これをつけておくと、カシカンのホーム画面からすぐに検索することができるので、使いたいたいものがすぐに探し出せます。
例えば、授業に使用するためのiPadには〈#授業用〉とタグをつけておけば、授業用でない資料作成や部活動などで使うデバイスと区別することができます。もちろん、使い方は自由です。
他にも、〈powerpoint〉などのスライド作成ソフト、〈Indesign〉などのDTPソフトが入っているPCには、「#powerpoint」などのハッシュタグを説明文内に入れておくだけで、検索からすぐに利用できる端末の貸出予約ができるようになります。
POINT②:在庫数を設定できる
同じデバイスが複数あるときや用途の同じデバイスは、在庫数を設定してまとめて登録しておきましょう。在庫が切れるまでは予約が重複しても利用できるようになります。
授業以外でも……
学校では授業以外にもさまざまな営み、活動がありますから、その分カシカンもいろんな場面で活躍できます。デバイスに限らず、移動教室の鍵や理科の実験器具など、管理するものは何でも登録することができます。体育や部活動で使う道具やユニフォーム……こういったものもカシカンでまとめて管理してみましょう。
学校で使うもののほとんどは、私物ではなく他の教員や生徒も利用する「共有財産」です。
・部活動/クラブ活動
部活動でもたくさんの備品を使いますが、これらの備品もカシカンで管理することができます。
POINT① 専用のグループページが作成できる
カシカンは各ユーザーがグループページを好きに作成することができます。顧問の先生は自分の部活動のグループページに部員を招待することで、部活動ごとに使う道具を登録して備品の管理ができます。また、貸出物はグループを跨いで登録することもできるので、他の部活動と共同で使っているものであってもきっちりと使い分けることができます。
使い方を応用すれば、グラウンドの利用スケジューリングに活用することも。
POINT② 情報の共有スペースがある
ページの上部に、お知らせのメッセージを載せることができます。顧問の先生から部員全員に伝えたい話や利用ルールなどを書いておくことで、より円滑に活動に励むことができます。
・図書室/学級文庫
カシカンは書籍管理の機能も充実しています。ISBNコードを読み取って書籍を一括登録することができるほか、著者や出版社、内容についての説明文を自動で取得して検索に利用することもできます。また、登録した書籍はフォルダで分けて、例えば「低学年向け」のようなコーナーをつくる、というような実際の本棚と同じように区分することが可能です。
図書室は高コストの管理システムを導入しなくても、カシカンに備わっている会員証機能を使えば生徒個別に図書利用カードを作って生徒と一緒に運営したり、上で紹介したグループページをクラスごとに作成すれば、学級文庫の貸出にも使えます。
★紹介した機能は各解説記事でより細かに知ることができます。
3.利用予約をして、使い終わったら返却する
共有したいモノが登録できたらあとはとても簡単です。使いたいものをタップして、利用したい日時を選択して予約するだけ。返却もワンタップでできるので、どなたでもすぐに使いこなせるはずです。
①貸出物をタップ
②日時を指定して予約
③ワンタップで返却
覚えるのは、この3ステップだけです。
カシカンの基本はこのシンプルな機能にあります。学校という環境で活用できる色々な使い方を紹介してみましたが、実際にはもっといろいろな場面で、さまざまに応用することができると思います。教員のあいだで扱いなれてきたら、クラスや学年単位で生徒とも共同で使ってみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか?
あらゆる教育現場は現在、時代の変化とその対応でとても大変な時期にあると思います。刻一刻と変わる状況にそのつど対応を迫られては、指導者の立場とはいえ不安な気持ちにもなります。しかしそのなかにあって冷静に頼もしくあれることが、生徒の安心へとつながっていくことと思います。そのためには、働く現場に確固とした基盤があることが何より重要です。
ふいの出来事に左右されないよう、先生も生徒も信頼しあって、ともに学びを深められる環境づくりを目指しましょう。
カシカンはこちらのページから登録・利用することができます。